段間隔 / 譜表間隔 / 大譜表間隔などの設定について

メニュー>フォーマット>スタイル>ページ に設定項目があります。(MuseScore 3.6.2 Windows11)

ここの設定についてはハンドブックに少し記述されていますが良くわからないままに使っていました。
https://musescore.org/ja/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%…

そこでハンドブックを補完する記事を書くべく試行錯誤してみましたが結局わからないところが残りました。分かる範囲で整理しましたのでご参考程度にお読みください。誤りがあるかも知れませんし、複数項目を同時に変更する場合はほとんど試していません。皆様の検証に期待するところです。

以下の記述内容を概観する表を作りました。まずこれを提示します。
段間隔譜などまとめ.png

◆はじめに下位項目は既定のままとして大きなふたつの項目を比較しました。
サンプルは新しいスコアのウィザードから合唱の「歌+ピアノ」を使いました。どういうわけか歌部分の音部記号が下に8が付いたト音記号(8va bassa)になっていますので通常のト音記号にしたうえで4小節ごとに折り返しました。

(A)「譜表の垂直揃えを有効にする」が ON になっている状態が次の画像です。
サンプルA.png

(B)「譜表の垂直揃えを無効にする」を ON にした状態が次の画像です。
サンプルB.png
むしろこちらの方が揃っていると言えそうです。項目名が適切でないように思います。

ちなみに Ver.4 では「譜表の縦方向の自動位置調整を有効化」「譜表の縦方向の自動位置調整を無効化」となっていますがこれも疑問が残ります。「無効化」してもそれに含まれる項目の設定によって〝自動で〟動きますので。「有効」の方の間隔の項目にはいずれも「最小の」あるいは「最大の」が付いています。推測ですが、その範囲で何らかの法則により配置されるのが〝自動〟の意味なのかもしれません。

◆次に各項目を、他の項目は既定値のまま、ひとつずつ変更してみました。

(A-1)譜表の垂直揃えを有効にする+段間隔のファクター
既定の 2.5 を 12.0 にしてみました。段間隔が広がりました。
それにつれて譜表間隔、大譜表の間隔が狭くなりましたが「最小の譜表間隔」までのようです。
さらに数値を大きくしても各ページの段が次のページに送られることはありませんでした。
サンプルA1.png

(A-2)譜表の垂直揃えを有効にする+角括弧 上/下間隔のファクター
この項目は角括弧を使っている時に有効になりますがその効果は次項(A-3)と同様でしたので省略します。

(A-3)譜表の垂直揃えを有効にする+波括弧 上/下間隔のファクター
既定の 1.1 を 5.1 にしてみました。譜表間隔が広がりました。
増やすにつれて段間隔が狭まり、さらに増やすと大譜表の間隔も狭まりましたが、大譜表の間隔が最小の譜表間隔に達するまでのようです。
この数値を増やしても段が次ページに送られることはありませんでした。
サンプルA3.png

(A-4)譜表の垂直揃えを有効にする+最小の段間隔
既定の 8.5sp を 11.0sp にしてみました。 10.5sp までは2ページ目の段間隔が広がりますが 11.0sp にすると1ページ目から1段送られました。
各ページの段数が同じ場合は同じレイアウトになるようです。
さらに数値を増やすと3ページ目に送られましたが、3ページの段間は1、2ページとは揃いません。
サンプルA4.png

(A-5)譜表の垂直揃えを有効にする+最大の段間隔
既定の 32.0sp を増やしても減らしても楽譜の見た目に変化はありませんでした。どのように機能するのかわかりませんでした。
この「最大の段間隔」に「最小の段間隔」より小さい値も設定出来ますし、その逆も可能なのは不可解です。
ほかの項目との組み合わせとか、もっと違う条件の楽譜では機能するのかも知れません。おわかりの方ご教示下さい。

(A-6)譜表の垂直揃えを有効にする+最小の譜表間隔
既定の 3.5sp を 4.5sp にしました。譜表間隔が広がります。大譜表間隔にも及んでいるようです。
4.5sp にすると「最小の段間隔」の制限により1ページ目は収まりきらなくなるのでしょう。1段が2ページ目に送られました。
各ページの段数が同じ場合は同じレイアウトになるようです。
さらに数値を増やすと3ページ目に送られましたが、3ページの段間は1、2ページとは揃いません。
サンプルA6.png

(A-7)譜表の垂直揃えを有効にする+最大の譜表間隔
既定の 20.0sp を 5.0sp にしてみました。譜表間隔が狭まります。
既定値より数値を増やしても楽譜の見た目に変化はありませんでした。
この「最大の譜表間隔」に「最小の譜表間隔」より小さい値も設定出来ますし、その逆も可能なのは不可解です。
サンプルA7.png

(A-8)譜表の垂直揃えを有効にする+最大の大譜表間隔
既定の 6.5sp を 9.0sp にしてみました。大譜表間隔が広がりました。1ページ目は既にページいっぱいに使われているからでしょう。変化しませんでした。小さくすればもちろん狭まりますが、最小限の大譜表間隔は別に定められているようで 0.0 にしてもそこまでは動きません。
この項目は段間隔、譜表間隔を変化させることはないようです。各ページの段が次のページに送られることはありませんでした。
サンプルA8.png

(A-9)譜表の垂直揃えを有効にする+最大のページ余白間隔
既定の 6.0sp を 0.0sp にしてみました。譜表間隔、大譜表間隔、段間隔のいずれもが変化するようです。
そもそも「ページ余白間隔」が何を指すのか分かりません。英語表記では Max. page fill distance となっています。「ページをいっぱいに使うまで各間隔に付加する値」ではないかと推測したのですがどうでしょうか。各ページの段が次のページに送られることはありませんでした。
サンプルA9.png

(B-1)譜表の垂直そろえを無効にする+譜表の間隔
既定の 6.5sp を 10.0sp にしてみました。譜表間隔が広がり、ページに収まらなくなった段は次ページに送られます。大譜表間隔は変化しないようです。
サンプルB1.png

(B-2)譜表の垂直そろえを無効にする+大譜表の間隔
既定の 6.5sp を 10.0sp にしてみました。大譜表間隔が広がり、ページに収まらなくなった段は次ページに送られます。譜表間隔は変化しないようです。
サンプルB2.png

(B-3)譜表の垂直そろえを無効にする+最小の段間隔
既定の 8.5sp を 13.0sp にしてみました。12.5sp までは変化がありませんでした。元の状態で 12.5sp あったということだろうと思います。
13.0sp にしたら1段分が次ページに送られました。
ここで設定出来る最大値は「最大の段間隔」の値まででした。それ以上にするには「最大の段間隔」を変更します。
サンプルB3.png

(B-4)譜表の垂直そろえを無効にする+最大の段間隔
既定の 15.0sp を 8.5sp にしてみました。段間隔が狭くなります。
ここで設定出来る最小値は「最小の段間隔」まででした。それ以下にするには「最小の段間隔」を変更します。
値を大きくしても既にページいっぱいになっているページは変化はありません。次ページに送られることもありませんでした。
サンプルB4.png

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