「消去」と「削除」

• Jul 1, 2019 - 06:06

カスタムワークスペースでパレットを右クリックのメニューには「パレットを消去」が有ります。
パレット消去.png
これをクリックしたダイアログボックスでは「削除しますか?」です。
20190701105602.png
※ダイアログボックスのパレット名が訳語になっていない件については英語版のフォーラムで提起している人がいました。ソフトの問題のようなので、ここでは話題にしません。

英語ではどちらも delete になっています。また「消去」はこの箇所と、(たぶん)「新しいスコアのウィザード」の中にしか使われていません。
「パレットを消去」は「パレットを削除」が適当だと思います。

さて、「消去」と「削除」はどう違うのでしょうか。
(1)[ツール]→[選択した範囲を削除]で音符を削除した場合には、拍そのものがなくなります。
(2)[編集]→[削除]も範囲を指定することができます。そして音符を削除した場合には休符に置き換わります。
少々意味合いが違うと思いますが同じ「削除」が使われています。
これについては、やはり英語版のフォーラムで delete と clear あるいは erase の使い分けを提案している人がいました。(1)を「削除」、(2)を「消去」とするのも一つの方法であろうかと思います。
ただし辞書的な意味では「消去」と「削除」の違いは判然としませんから、MuseScore における定義を定め、それをハンドブックででも明示しなければならないでしょう。
(因みに私の使っている表計算ソフトではセルそのものをなくすのを「削除」、セルは残しデータを消すのを「消去」としていました。)

「削除」はそのままに[選択した範囲を削除][削除]の表現を工夫する方が良いかもしれません。
[選択した範囲を削除][選択した要素を削除]で少しはわかりやすくなりましょうか?

「消去」は、「新しいスコアのウィザード」の中もに出てきます。
https://musescore.org/ja/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%…
ここでの「消去」は譜表そのものがなくなります。英語では delete ではなく remove が当てられているので別語にするという考え方もありましょうが、上のように考えるとこれは「削除」です。

また、こちらにもありますが、これも「削除」がふさわしいと思います。
https://musescore.org/ja/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%…
(引用)後刻、小節を加えたり消去することもできます。

※ソフト、ハンドブックの整合性、統一性に関わります。皆さんのご意見を伺いたく存じます。


Comments

「英語版のフォーラムで~」の件は私の記憶です。どこにあったのか少し探してみたのですが思い出せませんでした。

パレットの件については,削除でよいと思います.
例の「翻訳汚染」のときに気づいていたのですが,あとまわしにしているうちに忘れてしまっていました.
どちらも,翻訳元は「delete」だということも確認されているようですので,あとで直しておきます.

In reply to by knoike

パレットの件,「削除」に直しておきました.

item_delete_palette_2019-07-01.png

dialog_delete_palette_2019-07-01.png

... .
言語リソースをアップデートすると,「Palette Properties」ほか,メニューアイテムのいくつかで訳語が表示されないという不具合が... .

Palette_transifex_2019-07-01.png

Transifex のほうでは訳語が適切にあててあるので,これは,たぶん,パレット名を変更するときなどに訳語が表示されない不具合と原因は同じです.
たぶん,表示時に,言語ロケール情報を参照できていないのだと思う... .

In reply to by yamada_y

私もいま,修正されていることを確認できました.

原因は,三点リーダ文字そのものではなく,また,Transifex 側でもありませんでした.
Transifex のデータが MuseScore に取り込まれるときにデータ変換処理がなされるのですが,
そこで使用されているコンバーターが,とある理由で古いものになってしまっていたために,
三点リーダ文字のような ASCII 文字でない文字が正しく扱えていなかった,ということでした.

MuseScore から離れて,個人的には delete と remove と clear/erase はプログラマの観点から使い分けています.
delete は「削除」で,システム上から完全に存在をなくしてしまう.
remove は「削除」ではあるけれど,どちらかというと「取り外し」のニュアンスを含んでいて,システムのどこかには残しておくけれど,一時的に存在をなくしてしまうときに "私は" 使います.
clear/erase は「消去」で,clear はボタン一発で消去,erase は消しゴムのようなツールでゴシゴシ消していくイメージですが,あまり使い分けていないかもしれません.

「削除」は,テキストエディタでいえば,「消して,詰める」,
「消去」は,テキストエディタでいえば,「消す.詰めない」,というイメージが個人的にはあります.

MuseScore に話を戻すと,delete, remove, clear, erase の使い分けは,きっちりとはなされていないような気がします.
開発者ごとに異なるのかもしれませんし,開発者個人の中でも揺れているのかもしれません.

ハンドブックのほうも,英語版を拾い読みしかしたことがないのですが,もしかしたら,ハンドブックのほうもきっちりとは使い分けがなされていない可能性があります.

翻訳者の翻訳方針によって変わることですが,
表層的な言語情報だけをみて翻訳する場合と,
現在使用可能な MuseScore の挙動に合わせて翻訳する場合とで,
どのような訳語を選択するかは変わりそうです.

もう直したのですか。お手数をおかけしました。
「パレットを消去」は次に「削除しますか?」と聞かれるのですから「パレットを削除」とする以外にありませんね。

[削除]はこのままで良いと考え直しました。「選択した要素を」はわかりきったことなのであえて言う必要はありませんね。
各語のニュアンスについてはおそらくほとんどの人が同意されるのではないでしょうか。「削除は消して詰める」も同感です。そうすると、削除の中には消去の方がふさわしいケースもありそうですが[削除]で定着しているようなのであえて変更しなくても良さそうです。
[削除]を[選択した要素を削除]としたいと考えたのは、[選択した範囲を削除]との違いを際立たせたかったのですが、それなら[選択した範囲を削除]を工夫すべきですね。
こちらで削除されるのは選択した範囲の「要素」ではなく範囲そのものであり、時間軸方向に切り詰められることを表したいのですが、的確で簡潔な表現はなかなか難しそうです。
[選択した範囲を削除]は、私としては100%満足ではありませんがまあ良いかなというところです。
従ってこの件についての私の提案は取り下げます。
もちろんよりよい案があれば、それを否定するものではありません。

https://musescore.org/ja/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%…
(引用)後刻、小節を加えたり消去することもできます。
こちらは英語では add/remove でした。それで delete とは変えて「消去」としたのでしょう。
しかしこれの実際の操作は(ショートカットキーを使わなければ)[選択した範囲を削除]か小節を右クリックから[選択した小節を削除]です。
(修正案)後刻、小節を加えたり削除することもできます。
としなければならないでしょう。

残るは「新しいスコアのウィザード」です。ここの[消去]も英語では remove でした。
> delete, remove, clear, erase の使い分けは,きっちりとはなされていない
なるほど、そう思えてきました。
操作の結果に照らすと[削除]がふさわしいと思いますが、この変更は、ハンドブックとソフトの両方に亘ります。

ここは度々ソフト、ハンドブックの整合性、統一性に言及されている Neco さんのご意見を戴きたいところです。

本題からははずれてしまうのですが,
個人的には「後刻」という言葉が,ハンドブックのような一般向けの取扱説明書に出現することが気になります.
これって,日常的に使われる言葉ですか?
意味は汲み取れますが,文学作品でしか「後刻」という言葉は使われないような印象が個人的にはあります.

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