譜表 / パートのプロパティ
譜表/パートのプロパティ のダイアログで、譜表 の表示の変更、チューニングと移調の調整、楽器の変更などができます。それを開くには:
- 譜表を右クリックして 譜表/パートのプロパティ... を選びます。
譜表/パートのプロパティのダイアログ (as of version 3.5)
譜表のタイプ
譜表には使用目的に応じて次の 4 つのタイプがあります。
1a. 標準譜 I.: ほとんどの楽器用(フレット・撥弦楽器を除く)の音階譜表、
1b. 標準譜_II.: フレット・撥弦楽器を含む楽器用の音階譜表で、弦の数とチューニングのオプションが含まれます。
2. TAB譜: フレット・撥弦楽器用の譜表で、弦上のフレット位置を表示します。弦の数とチューニングのオプションも含まれています。
3. パーカッション譜: 打楽器用の音階譜表
元の譜表がその 楽器 に適切に選択されたものであれば、楽器 のダイアログを使って譜表のタイプを変更できます。例えば、標準譜をTAB譜に変えるには撥弦楽器でなくてはなりません。同様に、標準譜をパーカッション譜に変えるには元の譜表が適切な打楽器のものでなくてはならない、といった具合です。
譜表/パートのプロパティのダイアログにあるオプションのほとんどは全タイプの譜表に共通ですが、1~2点、その譜表特有のものがあります。
譜表 / パートのプロパティ: 全ての譜表
次のオプションは 全て の譜表に共通です。
譜線
譜表を構成する譜線の数
譜線の間隔
2本の譜線間の距離で、スペース値(略語 sp)で表されます。注:この値を既定値から変えることはお勧めしません。譜表を大きく、あるいは小さくする必要があれば、その代わりにページの設定 のダイアログを使いましょう。
譜表の上の余白
選択した譜表とその上の譜表との間隔を、スコア全体に渡り増減します。注: この設定は段の一番上の譜表には適用されず、レイアウトとフォーマット: スタイル ... → ページ の最小段間隔/最大段間隔で行います。
注: 特定一つの段だけ譜表の間隔を変更するには、区切りとスペーサー を参照ください。
スケール
選択した譜表とその関連要素全てのサイズを % で変更します。(スコア全体のサイズの調整は、フォーマット→ページの設定… メニューの スケール で行います。)
空の譜表を隠す
フォーマット → スタイル ... → スコア の "空の譜表を隠す" 設定と一緒に使って、その譜表が空の場合に隠すかどうかが決まります。
選択肢は:
- 自動 (既定値): その譜表が空で "空の譜表を隠す" 設定になっていれば、非表示になります。
- 常に: その譜表が空であれば、"空の譜表を隠す" 設定がなされていなくても、非表示になります。
- 確認しない: 空であっても決して非表示にはなりません。
- 楽器: 複数の譜表から成る楽器の場合、全ての譜表が空の場合にだけ、非表示になります。
音部記号を表示
音部記号を表示するか
拍子記号を表示
拍子記号を表示するか
縦線を表示
縦線を表示するか
組段の縦線を隠す
譜表の左端の縦線を非表示にするか
同じ休符を統合する
同じ小節の拍の2つ声部に同じ休符がある場合、1つに統合するか
段が空でも非表示にしない
段の全てが空の場合でもこの譜表を非表示にしない。ここでの設定は フォーマット → スタイル... → スコア での "空の譜表を隠す" 設定に先んじます。
小譜表
小さいサイズの譜表にします。既定値の設定は、メニューから フォーマット → スタイル ... → サイズ で行います。
縦線非表示
譜線を非表示にする
譜線の色
"色の選択" を使って、譜線の色を変更します。
カッタウェイ
音符が含まれる小節のみを表示する カッタウェイ譜を作るのに用います。( ossias (Wikipedia) あるいはカッタウェイスコアを ご参照) これは "空の場合に非表示" や "空の譜表を隠す" に関わらず用いることができます。
楽器
楽器 (I) あるいは 楽器を変更 のダイアログに読み込まれた楽器。必要なら、この楽器の音色を ミキサー で変更することができます。
注: 以下の パート名や楽器名称 などのプロパティは、MuseScore の instruments.xml ファイルに定義された既定値に設定されます。
パート名
その パート の名称。この名称は、ミキサー と 楽器 ダイアログ (I) にも表示されます。パート名に行った変更は、その特定の楽器にのみ反映されます。
注: パート名は instruments.xml ファイル の中の trackName 要素の値として定義されています。もし trackName が定義されていない場合、それに代えて longName (次の "楽器名称" をご参照) が用いられます。
楽器名称
スコアの最初の段で譜表の左側に表示される名称。楽器名称も テキストオブジェクト として直接に編集できる場合があります。(テキスト編集 をご参照)
楽器略称
スコアの2つ目以降の段で、譜表の左側に表示される名称。楽器略称も、テキストオブジェクト として直接に編集できます。(テキスト編集 をご参照)。編集結果は スコア全体 に反映されます。
使用可能な音高の範囲
* アマチュア: この範囲外の音符は、スコアの上でオリーブグリーン/ダークイエローに色付けられます。
* プロフェッショナル: この範囲外の音符は、スコアの上で赤に色付けられます。
音域外音符の色付けをやめるには: メニューから編集→環境設定... (Mac: MuseScore→環境設定...) を選んで、"音符入力モード" タブをクリックし、"使用可能な音域外の音符に色をつける" のチェックを外します。
楽器の音域外の音符を色付け もご参照ください。
移調
このオプションは、移調楽器の譜表が適切な音高で表示されるためのものです。移調をオクターブに加え音程の上下で設定します。
シングルノートダイナミクスを使用 (as of version 3.1)
チェックしたままであれば、例えば sfz などでの single note dynamics や、クレッシェンド・ディクレッシェンド、ディミヌエンドを単音(あるいはタイで結ばれた音符)で再生ができます。
操作矢印
譜表/パートのプロパティウィンドウの左下にある ↑ ↓ ボタンを使えば、前の・次の譜表に移動することができます。
譜表 / パートのプロパティ: 撥弦楽器のみ
フレットのある撥弦楽器には、上 のものに加え、追加のオプションがあります。
弦の数
その楽器の弦の数を表示
弦の設定…
このボタンでダイアログを開くと、弦の数とチューニングの設定ができます。 弦のチューニングの変更 をご参照ください。
高度なスタイルのプロパティ
高度なスタイルのプロパティ... ボタンをクリックすると、その譜表についての高度なスタイルのオプションにアクセスできます。その内容は、選択した 譜表タイプ によって異なりますので、以下関連項の説明をご参照ください。
テンプレート
"高度なスタイルのプロパティ" ダイアログの下の方に、次の変更を簡単に行える各種のボタンがあります。
- パーカッション譜表で表示される譜線の数
- 撥弦楽器の譜表のタイプ。例えば、標準の譜表からTAB譜へ、またその逆の変更もできますし、各種のTAB譜オプションから選べます。
- "テンプレート" のドロップダウンリストから選択します。
- < テンプレートの設定にリセット を押します。
- OK を押して変更を行うか、キャンセル を押すか、ダイアログを抜けて作業を取り消します。
標準の譜表とパーカッション譜表のオプション
音部記号を表示 / 拍子記号を表示 / 縦線を表示 / 調号を表示 / 加線を表示
このオプションでこれら要素の表示をオン・オフします。
符幹なし
これをチェックすると、音符は符幹、符尾、連桁なしとなります。
符頭の距離
Notehead scheme ご参照
TAB譜のオプション
上下逆
チェックしない場合、一番上のタブラインは一番高い音の弦を、一番下のタブラインは一番低い音の弦を表します (最も普通のありかたです)。チェックした場合は、一番上のタブラインは一番低い音の弦を表し、一番下のタブラインは一番高い音の弦を表します(イタリア式リュートのTAB譜で用いられます)。
例:
'上下逆' のTAB譜
TAB譜のオプション: フレットマーク
フレットマーク は指板上の音符の位置を、数字あるいは文字で表します。以下のプロパティでフレットの表示を定義します。
フォント
フレットマークを記すのに使うフォント。 8つのフォントが提供され、各記号に8つの異なるスタイルが利用できます。(Tab Sans, Tab Serif, Tab Renaiss, Phalèse, Bonneuil-de Visée, Bonneuil-Gaultier, Dowland, Lute Didactic)
サイズ
フレットマークのフォントのサイズで、ポイント表示です。組み込まれているフォントは、通常、9-10pt のサイズが良さそうです。
垂直位置
MuseScore は記号を丁寧に位置付けるので、組み込みフォントについての値(0設定)は通常は変更する必要がありません。もしフォントが基線に沿わない(あるいは MuseScoreが想定していない)場合には、この値を使ってフレットマークを、負の数のオフセットで上に、正の数のオフセットで下に動かし、垂直位置をより良く設定できます。値は sp 値です。
表示形式
数字 (1, 2 ...) か、文字 (a, b ...) を選びます。文字を使う場合、j は飛ばして k を9 番フレットとして使います。
表示場所
弦の 線に重ねる か、線の上側 を選びます。
例:
フレットマークの文字は線の上側
線
接続 (線がフレットマークに重なる) か、分断 (フレットが表示される所の線にスペースが表示される)を選びます。
例:
弦の線を分断するフレットマーク
タイで繋がれたフレットの数字を表示する
これがチェックされていなければ、タイで繋がれた音符の最初の音符だけが表示されます。チェックされていれば、タイで繋がれた全ての音符が表示されます。
TAB譜のフィンガリングを表示
これをチェックすると、パレット から利用できるフィンガリング記号が表示されます。
TAB譜のオプション: 音価
このグループのプロパティは、音価を示す記号の表示を定義します。
フォント
音価の表示に用いられる記号のフォントです。現在は、5 つの異なるスタイルに合う 5 つのフォントが提供されています (Tab Modern, Tab Italian, Tab French, French Baroque (headless), French Baroque)。"音符記号" のオプションを選択した場合にだけ、使用できます。
サイズ
使用するフォントのサイズでポイント表示です。組み込まれているフォントは、通常、15pt が良さそうです。"音符記号" のオプションを選択した場合にだけ、使用できます。
垂直位置
"音符記号" のオプションを選択した場合にだけ、適用されます(下記ご参照)。音価の記号を上げるには負のオフセット値を、下げるには正のオフセット値を使います。
表記
* なし: 音価は表示されません (上の例の通り)
* 音符記号: 音符の形の記号が譜表の上側に表示されます。このオプションを選択すると、音価が変わった場合だけ記号が表示され、同じ音価の音符が続く場合は繰り返されないのが既定値です。
例:
* _ 符幹と符尾_: 符幹と連桁(符尾)が表示されます。通常の譜表に対するのと同じく、それぞれの音符の音価が表示されますし、そこでの連桁には標準の連桁パレットのコマンド全てを適用できます。
例:
反復:
同じ音価の音符が続く場合に、同じ音符記号を繰り返すかどうかとその場所を指定できます。即ち、
- 確認しない
- 新しい段
- 新しい小節
- 常に
注: このオプションは、"表記: 音符記号" が選択されている場合にだけ (上記ご参照) 適用されます。
符幹のスタイル:
* 譜線の外: 符幹は譜表の上/下に一定の高さの線として描かれます。
* 譜線を貫通: 符幹は譜表を通してフレット表示まで描かれます。
注: このオプションは、"表記: 音符記号" が選択されている場合にのみ (上記ご参照) 適用されます。
符幹の位置:
* 上: 符幹と連桁は譜表の上側に描かれます。
* 下: 符幹と連桁は譜表の上側に描かれます。
注: このオプションは、"表記: 音符記号" 、および "符幹のスタイル: 譜線の外" が選択されている場合にのみ (上記ご参照) 適用されます。
2分音符:
* なし
* 短い符幹
* スラッシュ付き符幹
注: このオプションは、"表記: 音符記号" 、および "符幹のスタイル: 譜線の外" が選択されている場合にのみ (上記ご参照) 利用できます。
休符を表示する
休符も表示するかどうか;表示するとした場合、音符記号は低い位置に表示されます。"表記: 音符記号" が選択されている場合にのみ、利用できます。
プレヴュー
スコアの一部を、現状のパラメーターを適用したTAB譜の形式で表示します。
楽器の変更
スコアの中の一つの楽器を違う楽器へ変更することが、いつでも可能です。次の手順で、新しい楽器へ、音、譜表の名称、譜表の移調が一括に設定できます。
- 小節の空の部分か楽器名称を右クリックし、 譜表のプロパティ... を選び、
- 楽器を変更... をクリックし、
- 新しい楽器を選んで OK をクリックして譜表のプロパティのダイアログに戻り、
- もう一度 OK をクリックしてスコアに戻ります。
譜表途中での楽器の変更 と混同しないように。
外部リンク
- How to create an ossia with another staff (for MuseScore 2, still works for MuseScore 3, but here the Cutaway option might be the better choice)
- How to create an ossia using image capture (for MuseScore 2, still works for MuseScore 3, but here the Cutaway option might be the better choice)